おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◆#25. 浅葱蓮二、煩悶する。

 元カノが元カノだなんてわざわざ言う必要があるのか。いやないはず。

 女の子ってそういうの、結構気にするんだよなぁ……望海がどうだかは分からないが。ただ、おれたちはすごく上手くいっているし……これから親戚になるわけだから、変な予備知識は与えないほうがいいだろう。

 だよな。普通に動揺するよな。おれだって……加藤くんに対するきみの気持ちが完全に消え去ったとまでは思わない。加藤くんを大切にするきみをまるごとそのままバナナで好きなんだ。いや本気で。

 琉実に対する感情は一言で表しがたい。……という表現自体が誤解を呼んでしまいそうだ。

 大丈夫。おれのなかで整理はついている――だって、『過去』のことなんだから。大事なのは今だろう?

 * * *

「……浅葱くんって……お化粧、好きなの?」

 一度痛い目に遭って以来おれは自分が美容ヲタだということをひた隠しにしていた。なのに何故。

 怪訝な顔をするおれに対し、琉実は、「……そのキーホルダー。去年の、ノエッサのクリスマスコフレのノベルティだよね。あたしは赤を貰えたんだよ。……浅葱くんと、お揃いだね」
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