おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 さて。カミングアウトしたほうがいいものかそれともだんまりを貫くべきか――どちらなのか迷っているうちに、琉実はにっこりと笑った。

「うちに、……そのお揃いのキーホルダーがあるんだよ。他にもいろいろコスメがあるから、よかったら、うちにおいでよ」

 * * *

「……浅葱くんって……メイク、上手いんだね……」

 思いっきりさせて頂いた。ええ。素材がいいだけになおのこと。力が入る……メイクに力みはNGで、肩の力を抜いて取り掛かるくらいがちょうどいいんだけどなぁ。

 やっち……まった。

 手鏡でおれの技術を確かめる琉実は、にこにこしている。「すごーい。……アイラインとか……、琉実、こんなに綺麗に引けないもん。インサイドアイライナー、黒で決めると格好いいね……マスカラもすっごい……自然なのにボリュームがあって……最高……」

「元々のおまえのまつげが長いからだよ。インサイドアイライナーは、んな難しくないぞ。上瞼をくるんと、んで白いとこが見えっからそこぱぱーっとやるだけだ」

「えーでもそしたらアイシャドウよれちゃうじゃない」

「パフを使うんだよ。なければファンデ添付のでも全然いい」
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