おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 わたしたちは放課後、一緒に、化粧の研究を重ねた。子どもでも悪印象を与えないメイクの仕方――子どもがメイクをしようとするとどうしてもケバくなりがちなので。そうはならないように、うちのデジカメで写真を撮って、映え、もある程度研究しつつ、大人が見ても眉をひそめない程度のナチュラルメイクを研究した。――れんちゃんは、肌状態をよくするために、ランニングなどの運動をし、食事にも気を払うなどの努力を重ねていた。すごい男の子もいるものだなぁ、とわたしは感心した。

 れんちゃんのところへわたしが遊びに行くよりも、れんちゃんがうちに来ることのほうが多かったので、れんちゃんの家族とあまり顔を合わせる機会はなかった。お父さんとお兄さんが出て行って、母一人子一人なんだとか。その状況を不憫に思った母が、また――わたしの持て余すコスメ熱に対処しきれなかった彼女は、一切をれんちゃんに任せ、恩を感じた母が、れんちゃんにおやつやお惣菜などの手土産を持たせることもあった。
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