おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 そういうことが積み重なり、休日に、れんちゃんのお母さんが挨拶に見えることもあった。仕事が出来そうな有能な印象のひとだった。こんなキャリアウーマンになりたいな、と思わせるかただった。お休みの日なのに紺のスーツをびしっと着こなして。……あの姿でわたしの、労働意欲は高まったのかもしれない。

 わたしとれんちゃんの化粧に対する知識や情熱は半端ないもので……とはいえ、流石に中学に入ると互いに部活に入り、忙しくはなるので、小学校時代ほどには集まれなくなった。うちに来たれんちゃんが寝てしまう……なんてこともあった。れんちゃんの寝顔を見ても、綺麗だな、と思う程度で何故か、異性としてのときめきはまったく覚えず……わたしにとってれんちゃんは、家族同然だった。異性だけれど異性を感じさせない唯一のひとだった。
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