おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 わたしに言い寄ってくる男子はいたけれど。なんだか……わたしの見た目だけしか見ていない気がしていた。元々髪の色は明るいほうで、割と、目立つ存在なのは自覚している。……だからといって、すぐに、なびくような女だと勘違いするのはなにか、『違う』のではないかと。要するに、わたしが、このビジュアルじゃなければ近寄っては来ないわけで……しかも、中身は、美容ヲタ。美容の話をし始めると辟易する男の子ばかりだった。だから……わたしは、誰とも付き合わなかった。

 中学時代から徐々に美容に目覚め、高校時代でピークに達するのが一般的な、女子の成長の仕方だ。その頃にはわたしはもう……V-tuberとして活動していたし、別に、顔出しをすることに抵抗なんか一切なかったし……ネットワークが広がりつつあった。

 北原啓こと北原幸一と出会ったのは、彼が、れんちゃんに、わたしを紹介して欲しいと言ったのがきっかけだった。わたしは高校時代から美容系V-tuberとして活躍していたし、わたしが啓の弟の家族みたいな存在である以上は、なんら、不自然のない展開だったと思う。そして、間もなくして啓とわたしは交際をスタートさせた。
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