おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 喜んでくれているものと思っていた。てっきり。わたしは……勘違いをしてしまっていた。

 れんちゃんは大事な戦友であり、仲間だ。彼がいなかったらわたしの人生は成り立たない。もっと、化粧への情熱を、ひとり、もてあまし、こじらせたまま過ごしていただろう。だから――彼は、わたしの恩人なのだ。

 けども。この感情と――恋愛感情とは、まったく異質の感情だと言い切れる。

 啓に対しては、勿論美容やファッションの話で盛り上がることが出来るけれど、それなしでも生活は成立する。――が、れんちゃんの場合は、美容話がメインとなる。専門学校時代から徐々に企業側から化粧品のテスターのオファーが来るなどして個人での活動を始めていたわたし。美容系V-tuberのはしりである。当時、美容系のチャンネルは、いまほど多くはなかった。

『好きだよ。……おれ、ずっと、琉実のことが、好きだった』

 打ち明けるのが遅すぎるよ。れんちゃん。わたしはもう……啓のものなのに。
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