おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 でも。蓮二。あなたは、琉実さんとの過去を隠していた。ふたり……おんなじ美容専門学校に通っていたんだよね? 互いにメイクとかしたの? そんなに……彼女のことが、好きだったの?」

「過去なんてどうだっていいだろう。大事なのはいまだろ」

「いま、……あなたは、わたしを、裏切ったんだよっ!!」

 蓮二がとうとう立ち上がった。「……傷ついている人間を助けるのが、裏切りだってのか」

 目に涙がにじむ。声がふるえるのを抑え込みわたしは伝えた。「……目の前で、いちいち、女性が倒れるたびに、あなたは、手を、差し伸べるの? 一晩中ついていてあげるの? 相手が……人妻でも?

 蓮二。あなたのしていることが間違っているとまでは言わない。ただ、……それって、人に、誤解を与える行為であることには変わりないよ。少なくとも、第三者が、その事実だけを知ったら、……どう思う?」

「第三者じゃない。おれは、……おまえに、分かって欲しいんだよ」
< 205 / 225 >

この作品をシェア

pagetop