おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 問題を解決するどころかかえってややこしくしてしまった。……でも、諦めないぞ。そこから、自分のアパートに直行し、一週間分の荷物をボストンバックに詰め込み、蓮二のマンションへと帰り、……所定の位置にスキンケアグッズを置く。

 ここが、自分の、場所。

 正妻だって誇らしげにする女の気持ちってこんな感じ、なのかもな……。勿論わたしは蓮二を疑っていない。だいたい、彼が、裏切る理由なんてそもそもない。彼は、わたしを愛しているし、結婚したいとまで言ってくれた。
 
 なのに。

 これが、現状……。

 あなたの住むマンションはとてもきれいできちんと片付けられていて整っている。なのに――わたしは、寂しかった。あの雑然とした環境に残されたあなたがただ恋しかった。あなたの匂いの残るベッドに眠り、ひとり、泣いた。

 *
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