おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「今更おれと望海のあいだに遠慮なんかナシだよ」と鏡のなかの蓮二はわたしの肩を支え、笑う。「おれが……したいからしてるの。させて?」

 そうしてドライヤーで蓮二に髪を乾かして貰うと意識が蕩けそうになってしまう。理性陥落。完全に落ちちゃってる。……蓮二の指先がやさしくわたしの頭皮を撫でて……出会った頃よりも随分とやわらかくなった頭皮を。

 蓮二曰く、頭皮は、顔の肌と同じくらいにやわらかいのが理想なんだとか。ukaなどで有名なスカルプブラシ……シャンプーブラシに似ているけれど、ちょっととげとげしているやわらかなゴムみたいな素材で出来ているブラシ。それでマッサージするといいんだとか。確かに。テレビを見ながら適当に頭皮ぐにぐにしているだけで結構やわらかくなってきたし、髪にはりが出てきた。

「……さて。続いてはご飯と行きましょう」

 家のなかでいちいちわたしを姫抱きにする蓮二ってなんなのだろう。照れる……。臆面もなくきざったらしい台詞も言ってのけるのだから、蓮二の品性にこころから感服している。
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