おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 後ろに立つ浅葱さんが、「んで。あとは十五回水で流せ。言っておくが顔にぱしゃぱしゃと軽く当てる程度で、擦るの厳禁な。……本当はぬるま湯が望ましいのだが、いちいちお湯の電源入れるのも面倒くせえしな。そこは大目に見よう」

 ……仕事のときのようなてきぱき口調に戻る浅葱さん。数回洗ったところでうっかり拭きそうになると、こら、とすかさず突っ込まれる。

「洗い残しがあるぞ。3回しかやってねえ。……面倒臭くても最低10回はやれ」

 教官ですか。「はぁ……朝なんて水で洗うだけでいいじゃないっすか……」とぼやくと「所説あるんだがなぁ」とまた浅葱さんが語りだす。

「朝、洗顔料を使うのか、水だけで洗うのか。どっちがいいか、ってのは、ひとそれぞれだ。肌の状態や性質ってのはひとそれぞれ違うからな。水だけで済むならそれでいいんだが、おまえの場合。洗い足りなくて油分が出てて乾燥している。典型的な乾燥肌ってやつだ。そういった場合、先ずは、毎朝余分な皮脂を取り除くことが第一だ。それからスキンケア……これもまたあとで説明する」
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