おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「保湿!! 保湿が命なんだよ美容ってのは!!」力説する浅葱さん。予備校の講師を思い出す。こういう先生絶対いるんだよね。「洗顔したら先ずは保湿!! 拭き取り化粧水、オイル、化粧水、導入美容液など……オプションは様々だ!! ……というわけで先ずは化粧水から行ってみよう。ほれ。これ、……つけてみ?」

 って化粧水を差し出される。「メンズラインだがこの際気にするな」と補足され。で、つけてみる……と。

「おおお……気持ちいい……っ!!」

「これを使うともっと気持ちがいいぞ」

 浅葱さんからコットンを差し出される。挟み方はこうだ、と、右手の中指と薬指をしたに、コットンを挟み、人差し指と薬指で固定して、コットンのうえにぽつ、ぽつ、と、化粧水が落とされる。「このコットンがしっとり濡れるレベルってのが理想だ」

「えー。勿体ないじゃないですか。手でつけたほうが……」

「とりあえず言われた通りやってみろ。……んで、肌を保湿しろ」

「あはい」

「……やっぱ力入ってんなぁ。……もっと……脈拍くらいのテンポでやさーしく、ゆっくりと、丁寧に動かすんだ……そう、そう、いい。いいぞ、その調子だ……。
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