おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 疑問に思ったことを問うてみる。「……乳液塗るのにクリームなんているんですか?」

「諸説あるが。……おまえのいまの肌状態は、先ほども言った通り、油分過多で水分が不足している。……よくな。オイリー肌だからって水分や油分を乗せないようにする人間がいるが、あれは間違いだ。逆に、油分や水分をちゃんと肌に入れて置かないとますます肌状態が悪化する。きみの場合はまず、しっかりと水分を入れ込んで、がっちり油分で蓋をする。……乳液はあくまで化粧水の補足であり、きちんと蓋をする役割がクリームの担当なんだ。乳液よりもクリームのが油分が多い。というわけで、顔に、五点乗せて、そっからやさーしく、広げていけ」

 くんくんと嗅ぐ。「……なんか、いい香りしますね……アロマ的な」

「そうそうそれ、ネロリやラベンダーが入っているからな。保湿力も高えし、癒し効果も抜群だ。一日の終わりにすると疲れが取れるぞ」

「ああ……癒されます……確かに……」

 そうしてすべてのスキンケアを終えて、自分の顔を確かめようとすると、……見違えるようにぴっかぴかのわたしの顔がそこにはあった。
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