おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「おまえがおまえであることが理由だ。――それ以外になにかあるか? ……っと……」からだを起こした浅葱さんは、「すまん。おれ、完全暴走してた……望海。おれは、最初っから……おまえに惚れていたのかもしれない。ごめん。いま、退くから」

「やだ浅葱さん」とわたしは彼のシャツを掴んだ。「ひどいです。……わたしをその気にさせておいて。昨日、あ、あんなこと言ったのに。……わたし、……どうしよう」

 わたしはためらわずに、宝石のようにきらめく、彼の目を見つめ返して告げた。

「あなたに抱かれたい」

 くしゃっと笑った浅葱さんは、わたしの後ろ髪をやさしく掴んで言うのだ。「なら。……抱いてやる。先に言っておくが、そんな簡単におれが、おまえを開放するとでも思うなよ?」

 慣れた手つきで押し倒されていく。ゆっくりと――ベッドに。この後に起こる展開は、決まっている。

 ほんのすこしの恐れを感じながらもわたしは頷いた。「……はい。勿論です」

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