おれが、おまえを、可愛くしてやる。
「初めて結ばれたムーディーな展開の直後にレバニラを用意してどうする」……普通、高級ディナーとか振舞うのが普通だよな? いいのかこれで。ただ、……レバーは買って数日は日持ちはするが、明らかに、買ったその日のうちに調理したほうが美味しい。鮮度が命だ。というわけで、おまえをもっともっとお姫様扱いするチャンスは未来の自分に委ねよう。頑張れおれ。頑張れ香ちゃん。
朝のうちに研いでおいた米がそろそろ炊ける頃だ。やぁっぱり米は炊き立てがうめえよな。……卵かけごはんのレシピやチャーハンもまじ最高なんだけど、今度、あいつに教えてやりたい。――料理はするほうだろうか? しなくても大丈夫。おれが――いるから。
昆布と鰹節でだしを取り、余ったおかかはすかさずふりかけにし――洗ったなめこ、豆腐、お揚げを刻んだのを入れて味噌汁の完成。――と。そろそろ起こしていいだろうか。……まったくどこまで眠るんだあいつ。……まあ。
「疲れさせたのはおれだからな。責任は、取るよ……望海」
柄にもなく、寝室に向かう足が弾んでいた。――おまえは、おれの、すべて。どうしようもないほどにおまえを――愛している。望海。