おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#09. 終わりの見えぬ夜

「えぇ……もしかして、これ、全部……蓮二が作ったの?」

「他に誰がいる」と言ってしゅるり、と、黒エプロンを外して畳んで置いた蓮二が、椅子を引いてくれた。「あ……ありがとう……」

 一日何回寝るんだこの女。……ってくらいに寝てしまった。ああ。

 ……で。その間、しっかりと、蓮二はお夕食を用意してくれていたわけで……湯気が立つごはん。レバニラ炒め。赤いお椀に入ったお味噌汁に……ほうれん草のお浸し。ああ……美味しそう……実家に帰ったときみたいにほっこり、する……。

「なんか、……ありがとう。蓮二」

「いや。不味かったら正直に言ってくれよ」

「そんなこと」ふふっとわたしは笑った。第一まだあそこが熱い。――あなたに貫かれたところが。「すんごく美味しそう……蓮二のお嫁さんになれるひとはきっとすんごく幸せだね」

「おまえ以外に誰がいる」

 ……っておお。さらりとこれ、プロポー……、

「……さ。あったかいうちに食べようぜ。頂きます」

 なんか話逸らされた気がするけれどいっか。「頂きます」と手を合わせて、食事に箸をつける……と。
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