おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◆#10. 浅葱蓮二、カミングアウト。

 性交直後に特有の、雄と雌の混ざりあった匂いのなかで、目を覚ました。……おまえは、寝ている。

 用を足して戻ってきてから改めておまえを見つめる。……メイク、落とし忘れちまったな。メイクマニアとしたことが。

 まあいい。こんな日もあるさ……。と、昨夜の痴態を思い返し赤面する。

『……蓮二の、おっきい……おいしい』

 根っこ深くまでくわえこんでおれを篭絡した魔性のお姫様。仕事で従順なおまえは、性の分野においても従順だった。……なんか、もう、おれ……。

「おまえの虜だわ」掛け布団をかけてやり、そんなことをつぶやく。――くらいには、おまえのことが、好きだ。望海。「……おまえなしじゃあ、もう、……生きていける気しねえ……」

 ぱち、とその大きな目が開いた。その目にいたずらな輝きが宿っていたのでおれはおまえのしていたことを理解した。

「蓮二」女神のように美しき裸体を晒すおまえはおれに目を向け、「……すごい告白聞いちゃった……ごめんね。寝たふりしちゃって……」
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