おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 電車は当然同じだが別々に出社した。おれのほうが忙しい、ということにおまえは気を遣い、おれよりも数分遅れで出社。まあ、女子には、化粧室に行ってメイクを整えるとかすることがあるからなぁ。今朝は、髪型が変わったことへのインパクトがでけえに違いない。貞子みたいなロングだったのがいきなりスイートなボブと来たもんだ。さら、さら、……と、肩にぎりぎりつく長さで揺れる髪が愛おしい。そもそもおまえのなにもかもが愛おしい。どうしようもないくらいに。

 というわけで、いざ、鎌倉。――おれとおまえは同じチームであり、十数名のメンバーが揃っている。

 九時を回り、全員が出社したのを見計らい、おれは、マネージャー席で立ちあがると、皆をたっぷりと見回し――

「朝っぱらからプライベートな話ですまない。……が、みんなに報告がある。

 ……おれと、椎名くんは、熱烈に交際している」

 視線が一斉におれに集中し、続いては、おまえに向かう。……みんなの視線を集めて真っ赤になって立ち上がるおまえの表情は、……なかなか見ごたえがあったぞ。望海。

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