おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 トイレから出たところでばったりと純平……もとい加藤くんと出くわした。「あ、ちょうどよかった」とわたしは話しかける。

「わたしと浅葱さんのことはもう、知っていると思うから。これからはわたし、あなたのこと、『加藤くん』って呼ぶね。

 加藤くんのほうも、『のぞみん』呼びはご遠慮頂きたく。『椎名さん』で統一して貰えると助かるな」

「あ……うん。うん。……そのことなんだけど……今日終わったらすこし話せない?」

「……ここでは話せないようなこと?」

「昼休み残り五分だし。ぼくは定時であがれると思うから近くのコーヒーショップで待ってる。場所は後からメッセするよ」

「……分かった」

 ……不可解なものを感じたものの、ひとまず、人目があるところでふたりで会うくらいならいいか。念のため蓮二にはその旨メッセを入れてから仕事に戻った。

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