おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 あーあ。わけがわからない。どうして涙が止まらない。あんなにもわたしたち――愛し合ったと思えたのに。本当は、……互いのことを理解していなかったんじゃなかったかって。めくるめく愛の嵐のようだった愛の行為でさえも。虚しいものだと――空虚なものだと……断言してしまえるのだろうか。そんな程度のものだったのか。
 
 違う。

 と、頭の奥で本能が告げるのだけれど残酷な現実が引き裂く。愛って……いったいなんだろう。すべてを曝け出すのが本物の愛? それとも――もっと、自立したものであるべきなのだろうか。加藤くんの発言を受けてこんなにも動揺する自分はおかしいのだろうか。狂っているのだろうか。

 玄関から物音がしても動く気力が湧かなかった。蓮二に違いない。でも、わたしは――。

 蓮二は、ソファーに座るわたしの前で、跪く。その瞳を暗闇でも美しい、とわたしは思いながらも。

「……本当、なの?」

 蓮二はなにも言わずわたしの次の言葉を待つ。

「……蓮二が、『もふパラ』から抜けるって……本当なの?」

「……え。それできみは……辛い想いをしているの……?」
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