おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◆#14. 加藤純平の思惑

『笹塚さんってすっごく……魅力的なひとだよね。誰が惚れてもおかしくないくらいに』

 ――そんなつもりで言ったんじゃあなかった。ぼくにとってきみは――

 今頃気づいた。宝物だったんだと……。

 けど、もう、遅い。きみはもうあいつのものなのだから。

 だけれど。

 ……気になることがある。朝一番で職場で浅葱さんがきみとの恋愛を報告したという点だ。……『もふパラ』のPLである浅葱さんが、配下にいるきみとの交際を宣言……普通に考えて公私混同だ。事前にきみに相談したとは考えにくい。つまり、彼は、あれを独断で行ったというわけだ。

 加えてあの発言。きみに、経験を積んで欲しいから、『もふパラ』から退く――。

 新入社員として、研修を受け、目下プロジェクトで修行中のぼくからすると考えられない発言だった。……浅葱さんにとって、『もふパラ』がその程度のものなのか? ……逆に言うと、それだけきみのことを想っているのだと思う。仕事よりもきみを優先しているんだ。彼は。

 とはいえ。
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