おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 体格を生かして柔道部に入ったぼくは、めきめきと鍛えられていった。一方きみは……いじめに遭ったみたいで部活を途中で辞めていた。そこから文芸部に入り、ますます地味になっていった……。

 そのあたりから立場が逆転した。ぼくの体型は相変わらずぷっくらしてはいたが……柔道で勝てるようになってきて、仲間が出来た。友達も出来た。すると、急に、きみが……。

 邪魔に思えてしまった。

 髪の毛をダサい縛り方をしており、肌ががさがさで芋っぽい女の子。顔は可愛いかもしれないけれど、正直言ってきみはダサかった。周りの女の子と違って、自分を保つよう努力している節が見られなかった。その頃から徐々に……ぼくのこころは離れていった。

 男子校に進学したのは、そんなきみとの縁を振り切りたかったのもある。柔道が強い学校に入学した。

 親同士が交流があるため。たまに、きみに会うことはあったが……小学校時代の輝きが嘘みたいに、地味な女の子に、変化していた。もし、きみが……小学校時代、ぼくに話しかけてくれなかったら、ぼくはもっともっと寂しかったはずだ。その恩も忘れて、ぼくは、きみとの交流を――避けた。
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