おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 月曜日に、重ためだった髪をばっさり切ってメイクも控えめにだがしっかりしたきみを見て驚いた。……願わくば、あの魅力を開発する人間が自分であって欲しかった。……願ってももう、――遅いのに。

 そんなつもりで言ったんじゃなかった。けど、いまのぼくは――告白することすら許されないのか。

 冷えた、キャラメルマキアートを両手で温めた。泣きそうになったが場所が場所なので我慢した。幸せを喜んであげるべきなのに。本当に、相手のことが好きなら、相手の幸せをこそ望むべきだろう――しかし。

 引っ掛かる点がある。浅葱蓮二は、唯我独尊なところがある。そもそも会社で、後輩を、おまえ呼ばわりするだなんていつの人間だって話だ。価値観昭和過ぎるだろ。アップデートしろよ。
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