おれが、おまえを、可愛くしてやる。
◇#15. さまようこころ
『おはようのぞみん。今日も、いい天気だねー』
黒いランドセルを担ぐ加藤くんは――純平は、いつも、そんなふうに言ってくれた。
わたしたちの関係は、たとえようがない。……友達。家族、みたいなもの。恋人同士の間に流れる、熱っぽい空気は、皆無、だった。……おばさんもおじさんの顔も知っているから、今更、って感じで。
周りから純平と仲がよいことを冷やかされることもあったが。ひとはひと。放っておいた。別に――その頃のわたしは、確かに、加藤くんの純粋性に惹かれてはいたが。ただ――彼自身、誰にも執着しない。からかってくる相手に対しても、友達に対しても、誰に対しても奢ることなどなく平等に接するタイプの男の子だった。わたしのことを、『そんな目で』見ていないことは明白で……だから、こじらせてもいた。
シロツメクサ。……保育園で、川の近くの公園にミニ遠足で出かけた際に、気持ちいい芝生のうえに、シロツメクサを見つけた。当時、割と乱暴だった男の子が、足でどんどん踏みしめたとき――
『やめろ。シロツメクサが可哀そうだろ』
黒いランドセルを担ぐ加藤くんは――純平は、いつも、そんなふうに言ってくれた。
わたしたちの関係は、たとえようがない。……友達。家族、みたいなもの。恋人同士の間に流れる、熱っぽい空気は、皆無、だった。……おばさんもおじさんの顔も知っているから、今更、って感じで。
周りから純平と仲がよいことを冷やかされることもあったが。ひとはひと。放っておいた。別に――その頃のわたしは、確かに、加藤くんの純粋性に惹かれてはいたが。ただ――彼自身、誰にも執着しない。からかってくる相手に対しても、友達に対しても、誰に対しても奢ることなどなく平等に接するタイプの男の子だった。わたしのことを、『そんな目で』見ていないことは明白で……だから、こじらせてもいた。
シロツメクサ。……保育園で、川の近くの公園にミニ遠足で出かけた際に、気持ちいい芝生のうえに、シロツメクサを見つけた。当時、割と乱暴だった男の子が、足でどんどん踏みしめたとき――
『やめろ。シロツメクサが可哀そうだろ』