偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません

7.

「今日は大使就任のパーティがありました。そこへ依織をパートナーとして同席しています」
 東條が父に真っすぐそう伝える。

「ああ、そう言えばセレヴィア王国は新しい大使が就任したのだったな」
 父も外務省職員のため、そこは把握しているようだった。

 依織の手を東條はぎゅっと強く握った。離れないことを依織にも伝えたかったのだろう。
「依織の亡くなったお父さんはイギリスへの駐在経験があり、彼女自身も帰国子女で英語が堪能なんです。今も日本文化関連のNPO法人に勤めていて、大使の覚えもめでたい」

「そうか、渡英はいつ頃?」
「私が小学生から中学までですから……10年くらい前ですね」
 依織が伝えると、父は考える様子になる。
「私が駐英大使だった頃と重なっている。お父さんとは接点があったかもしれないな」

 応接間に低く父の声が響いていた。
「そうか……俺は当時大学生だったから」
「留学してた頃だろう」
「そうですね。俺の渡英とも重なっていたかもしれないのか」

 もしかしたら、同じ時期に渡英をしていて、どこかの街ですれ違っていたのかもしれない。
 今までよりももっと親しみを感じる。
 それは東條も同じようだった。

 今なら思い切って自分の気持ちを打ち明けられるかもしれない。
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