偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
「キャラ弁ですよ……」
「キャラ弁でもいい。依織の弁当が食べたい。昼も依織のご飯が食べられたら嬉しい」
 本当にキャラ弁でもいいから、お弁当が欲しいらしい。
 依織はめったに甘えない東條のこの表情には確実に弱い。

 それにお昼にキャラ弁を外務省の中で食べている当日を想像したら、笑えてきてしまった。
 それも面白そうだ。

「お弁当箱がないのでフードコンテナに詰めることになっちゃうんですけど」
「それでもいい。ありがとう。材料は大丈夫か?」
「ええ。多めに作るので大丈夫ですよ」
 そんな心配をするのが東條らしくて、依織は微笑む。

「今日は昼が楽しみだ」
 そう言って東條は春花を起こしにいった。

 やがてふにゃふにゃと春花が東條に抱っこされて、キッチンに入ってきた。
「ママ、おはよー」
「おはよう。顔を洗ってきてね」
「はあい」

 春花の返事を聞いて、東條がゆっくりと抱っこから下ろす。
「一緒に顔を洗いに行こうか?」
「うん!」

 どうしても帰りが遅くなることが多い東條だ。
 だからこそ朝は春花と一緒に過ごす時間を大切にしているようだった。

 帰国してからは昇進していて、今は東欧局参事官という立場になっている。
 おそらく数年後には在外大使館に行使として任命されるはずだと聞いていた。
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