偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
『妊娠初期のつわり』
(まさか……ね)
 東條は慎重な性格だし、確かに何回か肌を重ねたけれど、毎回きちんと避妊していた。それは間違いない。

 そのまま検索をすると数パーセントではあるが、避妊をしていたとしても妊娠の可能性はゼロではないと書かれていた。
 そういえばと思い返すと、ここ最近忙しかったので気にしていなかったが、東條が去ったあと生理が来ていなかった。

(ほ、本当に?)
 かれこれ三か月弱は経過している。
 忙しかったこともあるし、ホルモンバランスの乱れからも生理がないこともありうる。

 市販薬でも反応は出やすい時期との情報があったので、この日依織は仕事が終わったあと、買い物のついでにドラッグストアへ寄って、妊娠検査薬を購入した。

 東條の性格を考えたら、まさかあるはずはない。
 だから気軽な気持ちだった。

 家に帰ってきて検査薬を使用し、反応を見る。じわっとラインが出て濃く反応した。
 依織は軽く目を見開く。
(妊娠してる!)

 東條との子だ。一瞬、嬉しい気持ちで胸が温かくなったが、今後を考えると不安にもなる。

 今、海外にいる東條と連絡を取る術はない。連絡先は削除してしまった。
 それに別れた時のあの頑なな態度だ。
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