偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 大好きな人との子どもなのだから、不安はあっても絶対に産んで育てたい。それがひとりであっても構わない。

 依織はそっと下腹部に手を置く。
(本当にここに赤ちゃんが……?)
 今は嬉しさと、病院に行くまではまだ確実ではないという気持ちが、ごちゃ混ぜになっていた。

 翌日、午前中に休みをもらい、依織は予約を入れた産婦人科へ向かった。
 診察を受けると、医師が画像を見せてくれる。

 小さく白く見えている胎児を医師が大きく拡大した。
「桜葉さん、妊娠しています。ここに見えているのが赤ちゃんですね。大きさからすると八週から十週くらいかな」

 医師はそこでカルテを見た。
 依織が未婚であると確認したようだった。
「出産はどうされますか? パートナーと相談されますか?」
「いいえ。産みたいです」

 まだとても小さいけれど、自分のお腹には間違いなく命が宿っている。
「では次の予約を入れていってください。次には予定日もお伝えできると思います」
「はい」

 超音波画像を医師がプリントアウトしてくれた。
 依織は待合室でじっと見つめた。
(赤ちゃんだ)

 とくとくと心臓が動いていた画像も見せてもらった。じわじわと実感が湧いてくる。
(私が守るからね)
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