偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 そこから依織は簡単な英語でのチラシを作って店主に渡し、商店街との交流が始まった。

 観光客も英語でのメニューや説明書きがあることによって、来訪しやすいこともあるのだろう。
 商店街のモデルケースとしてニュースに取り上げられたりもしたため、国内の観光客も訪れるようになり、ますます活気が溢れるようになったのだ。

 依織が商店街の店主たちと仲がいいのも、そういうことがあったからだった。

 商店街の奥のアパートに子どもとふたりで住んでいる。
 訳ありなのは分かっていただろうが、それでも温かく接してくれて、依織の安らぎになっていた。

 週が明けて、いつものように春花を保育園に迎えに行って、帰ってきて夕飯の準備をしていた時のことだ。
 ガタッと音がして、振り向くと春花が倒れていた。

「春花!」
 慌てて駆け寄ると熱があり、ぐったりしている。手足がガクガクと震えていてけいれんを起こしていた。
 声を掛けても呼び掛けに反応しない。

 依織はタクシーを呼んで、近くの救急対応している病院へ向かった。

 熱があったのを見落としたのだろうか。
 何かあったらどうしよう。

 頭の中をそんなことが駆け巡る中、到着した病院はすぐさま対応してくれた。
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