偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 ふたりで商店街を歩くと、馴染みになった店主たちが声をかけてくる。
「お、春花ちゃん、おかえり」
「ただいまー」

「コロッケ揚げたてだよ」
「ママ……」
 コロッケが揚げたてだと聞いて、春花の大きな目が上目遣いでじーっと依織を見つめていた。その愛らしさには勝てない。

「今日はコロッケにする?」
「する!」
 わーい! と春花は喜んでいる。

「じゃあ、コロッケを二枚、いただきます」
 肉屋のおかみさんは「はいよ!」と笑って紙袋にコロッケを入れていた。

 依織に渡す時に、ばちっとウインクする。
「依織ちゃん、オマケも入っているからね!」
「え! そんな、お支払いします!」

「いいの、いいの。オマケだから。春花ちゃんに食べさせてあげて」
「いつも、ありがとうございます」

 下町の商店街なのだが、少し前に海外のインフルエンサーが『ジャパニーズカルチャー』として取り上げたようで、海外からの観光客がこの商店街を訪れるようになった。

 とはいえ、昔からの商店街で外国語には対応していない。
 店主はなんとか身振り手振りで交流していたところ、依織が通りかかり通訳をした。
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