偶然の再会から外交官の溺愛が止まりません
 春花を抱いたまま東條は駐車場に向かう。そこには以前乗せてもらったのとは別の黒のSUVが停まっていた。

 驚くことに、後部座席にはチャイルドシートがセットされている。
「チャイルドシート……」

「よーし、春花の席はここ。危ないからベルトをしよう。できるかな?」
「できるもん」
「よしよし、えらいな」

 あまり車に乗ったことはないから、チャイルドシートなんて嫌がるかと思ったが、東條の乗せ方が上手なのか、春花はそれほど嫌がらなかった。

 それに安心して依織も隣に座る。
(東條さん、一体何を考えてるの?)

「じゃあ、ショッピングモールに行こうか。飲食店もあるし、入院を頑張った春花にご褒美をあげないとな」
「やったぁ!」
 依織の気持ちも知らず、春花は喜んでいた。その顔を見たら何も言えなくなる。

 ショッピングモールは車がないといけない場所にあり、あまり行くことがない。広いお店に春花ははしゃいでいた。
「ママー! パパー! こっちこっちー」
「春花、走っちゃダメよ」
「はーい」

 依織はちらっと東條を見る。
「ん?」
「ごめんなさい。パパなんて言われて、困りますよね」
「いや。困らない。むしろそう呼んでくれて嬉しい」
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