未完の恋、指先で溶かして
「それでも、一緒に居たかったんだよ。真紘が好きなのが私じゃなかったとしても」
ぽつりと零された真広の言葉が、ひどく痛々しく胸に刺さった。
その気持ちは、痛いほどよく分かる。相手が俺を見ていなくても、せめて隣にいられるなら、なんてそんな愚かな願いを、俺だって何度も抱いてきた。
けれど、その先に待っているのは、俺も彼女も幸せになれない未来。歪んだまま繋ぎ止めた先に待っているのは、緩やかな破滅でしかない。
俺は手元のグラスを軽く揺らし、黄金色のウィスキーを氷に這わせた。
カラン、と小さな音を立てて氷が角を落としていく。
その様子をただ見つめながら、真広の言葉を反芻していた。
「何で片想いってやめられないんだろうな」
「…佐久間くんらしくない弱音ね。俺は諦めるつもりないとか、そんな風に言うのかと思ってた」
「諦めたいよ。こんなきつい思いするくらいなら、いっそのこと」
自嘲気味に吐き捨て、俺はグラスに残っていたウィスキーを喉の奥へ一気に煽った。
今夜はこれで終わりにするつもりだった。これ以上ここにいても、惨めな想いが積み重なるだけだと分かっていたから。
だけど、ふと隣に目をやった瞬間、言葉が止まった。
真広は、今にも決壊しそうな表情を必死に堪え、震える唇を噛み締めていた。その姿を目にしてしまったら、彼女を一人にして帰るなんて出来なかった。
ぽつりと零された真広の言葉が、ひどく痛々しく胸に刺さった。
その気持ちは、痛いほどよく分かる。相手が俺を見ていなくても、せめて隣にいられるなら、なんてそんな愚かな願いを、俺だって何度も抱いてきた。
けれど、その先に待っているのは、俺も彼女も幸せになれない未来。歪んだまま繋ぎ止めた先に待っているのは、緩やかな破滅でしかない。
俺は手元のグラスを軽く揺らし、黄金色のウィスキーを氷に這わせた。
カラン、と小さな音を立てて氷が角を落としていく。
その様子をただ見つめながら、真広の言葉を反芻していた。
「何で片想いってやめられないんだろうな」
「…佐久間くんらしくない弱音ね。俺は諦めるつもりないとか、そんな風に言うのかと思ってた」
「諦めたいよ。こんなきつい思いするくらいなら、いっそのこと」
自嘲気味に吐き捨て、俺はグラスに残っていたウィスキーを喉の奥へ一気に煽った。
今夜はこれで終わりにするつもりだった。これ以上ここにいても、惨めな想いが積み重なるだけだと分かっていたから。
だけど、ふと隣に目をやった瞬間、言葉が止まった。
真広は、今にも決壊しそうな表情を必死に堪え、震える唇を噛み締めていた。その姿を目にしてしまったら、彼女を一人にして帰るなんて出来なかった。