未完の恋、指先で溶かして
「…どういう意味」
「真広だから。お互い別の人間を想ってて叶わないんだから、慰め合うぐらいい良いんじゃないかとおもっただけ」
そう言いながら、さらに距離を詰めてくる佐久間くんの肩を、私は軽く押し返した。
確かに、今の私の恋が実る確率は、限りなくゼロに近いのかもしれない。
だけど、まだ彼に慰めてもらってすべてを投げ出せるほど、潔く諦めがついたわけでもなかった。
ここまで来る道すがら、自分の本当の気持ちさえ見失いかけていた。
きっと私だって同じことを考えたから、彼の家まで来たのだと思う。
佐久間くんを利用して、この胸の痛みをどこかで忘れられたなら、もうこんなに苦しい思いをしなくて済むかもしれないと、そんな卑怯な計算が私の心のどこかにあったのも事実だった。
だからどこかで身体の関係に持ち込まれる事も覚悟していた。
「…ここまで来て、ごめん。でも、出来ない」
震える声で断ると、佐久間くんは私の顔を見つめた後、すぐに、優しい手つきで私を抱き寄せ、そのまま優しくぽんぽんと私の頭を撫でる。
「ごめん、最低だった」
「違う。多分私も同じことを考えてたから…」
この人の抱えている痛みも、やりきれないほどの辛さも。
同じ悩みを抱える私なら、きっと誰よりも理解できると思う。
「真広だから。お互い別の人間を想ってて叶わないんだから、慰め合うぐらいい良いんじゃないかとおもっただけ」
そう言いながら、さらに距離を詰めてくる佐久間くんの肩を、私は軽く押し返した。
確かに、今の私の恋が実る確率は、限りなくゼロに近いのかもしれない。
だけど、まだ彼に慰めてもらってすべてを投げ出せるほど、潔く諦めがついたわけでもなかった。
ここまで来る道すがら、自分の本当の気持ちさえ見失いかけていた。
きっと私だって同じことを考えたから、彼の家まで来たのだと思う。
佐久間くんを利用して、この胸の痛みをどこかで忘れられたなら、もうこんなに苦しい思いをしなくて済むかもしれないと、そんな卑怯な計算が私の心のどこかにあったのも事実だった。
だからどこかで身体の関係に持ち込まれる事も覚悟していた。
「…ここまで来て、ごめん。でも、出来ない」
震える声で断ると、佐久間くんは私の顔を見つめた後、すぐに、優しい手つきで私を抱き寄せ、そのまま優しくぽんぽんと私の頭を撫でる。
「ごめん、最低だった」
「違う。多分私も同じことを考えてたから…」
この人の抱えている痛みも、やりきれないほどの辛さも。
同じ悩みを抱える私なら、きっと誰よりも理解できると思う。