`未完の恋、指先で溶かして
間もなくして、森山がオフィスに顔を出した。
こちらに歩み寄ってくる彼女の表情には、緊張が滲んでいる。
「お疲れ様です。デスクはどこを使えば?」
「そこ、一時的に伊勢のところを借りよう。マジで助かる」
「私も特に案件はまだなかったので」
伊勢の席へと促しながら、手短に仕事の説明を始める。
「ちょうど伊勢は新しいクライアントとのやりとりが始まってて、これから本格的に始まるところだったんだ」
用意しておいた資料を渡すと、森山は即座に目を通し始めた。
元々優秀な彼女だ。細かい実務内容まで説明しなくても、仕事の勘が鈍っている様子もないし、資料だけで状況を把握できると思った。
「何かわからないところある?」
「いえ、これで進めます。ありがとうございます、佐久間さん」
「うん、よろしく」
それだけ言い残し、俺は自分のデスクへと戻った。
今の俺には、色ボケしている余裕なんて微塵もない。深刻な人員不足の中、全体の采配や調整を滞りなく回す必要がある。
今受けているプロジェクトは何が何でも完遂させなければならない。そのことだけに、俺は必死だった。
こちらに歩み寄ってくる彼女の表情には、緊張が滲んでいる。
「お疲れ様です。デスクはどこを使えば?」
「そこ、一時的に伊勢のところを借りよう。マジで助かる」
「私も特に案件はまだなかったので」
伊勢の席へと促しながら、手短に仕事の説明を始める。
「ちょうど伊勢は新しいクライアントとのやりとりが始まってて、これから本格的に始まるところだったんだ」
用意しておいた資料を渡すと、森山は即座に目を通し始めた。
元々優秀な彼女だ。細かい実務内容まで説明しなくても、仕事の勘が鈍っている様子もないし、資料だけで状況を把握できると思った。
「何かわからないところある?」
「いえ、これで進めます。ありがとうございます、佐久間さん」
「うん、よろしく」
それだけ言い残し、俺は自分のデスクへと戻った。
今の俺には、色ボケしている余裕なんて微塵もない。深刻な人員不足の中、全体の采配や調整を滞りなく回す必要がある。
今受けているプロジェクトは何が何でも完遂させなければならない。そのことだけに、俺は必死だった。