再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「私が神殿に行ったら、ロード様は王宮でお仕事なさるんですか?」
「どうだろう……魔獣が増えている地域が多いからな。その討伐隊を率いることになるんじゃないかな」
「魔獣……それって、危ないのでは」
魔獣がどんなものかわからないけれど、凶暴な動物のようなものなのだとしたら、襲われて怪我をしたりしてしまうのではないか。もしかして、命の危険があったりするのだろうか。
「ははっ、心配してくれてるのか? 嬉しいなあ」
「心配するに決まってるでしょう! 絶対に無理はしないでくださいね?」
「あぁ。そうするよ。ありがとう」
私は心配で怒っているくらいなのに、ロード様はどことなく嬉しそう。
「本当にわかってます!? 怪我もしないでくださいね!?」
「それは……難しいなあ。努力するよ」
「もう……」
絶対わかってない。もしロード様の身になにかあったらと思ったら、心配で仕方ないのに。
「手紙も書くから、大丈夫だよ。暇があれば会いに行くし」
「本当ですか? 絶対ですよ?」
「あぁ。セーラのためにも無事に帰ってくるから」
嬉しそうに頭を撫でてくれるロード様に頷くと、ちょうどよくロード様を呼ぶ声が聞こえ部屋を出ていく。
「明日また来るから、もう一度庭園に行こう」
去り際にそう言うロード様に頷くと、手を振って扉を閉めた。
「リゼ」
「はいセーラ様」
「神殿って、確か各地にあったよね。私はどこの神殿に行くのかな」
「そうですね……王都の中にある大神殿ではないでしょうか。カイエン様もあちらからいらっしゃっておりますし、セーラ様も三年前にお過ごしになったことがあるかと」
「そっか。大神殿……」
三年前に拠点としていた、王都の大神殿。大きな女神像がある、この国で一番大きな神殿だ。
カイエン様のような神官も多く、とても広い敷地だったのを思い出す。
「あ……リゼはどうするの? リゼも私と一緒に行けるの?」
「……申し訳ございません。私はあくまでもロード殿下の配下の者。神殿への同行はできかねるのです」
「そう、なの……」
リゼとももうすぐお別れなのか。こんなにも良くしてくれたのに。
「さみしいな……」
ロード様ともリゼとも簡単には会えなくなりそうで、胸の奥がチクリと痛む。
大神殿は確かに知っている場所ではあるけれど、こちらの世界でも三年が経過している。その中で私が知っている人がどれくらいいるかもわからない。
不安が募る私に、リゼは
「セーラ様。不敬をお許しください」
とだけ言って、私をゆっくりと抱きしめてくれた。
「……リゼ?」
「セーラ様。大丈夫です。ロード殿下も私も、セーラ様の味方です」
「リゼ……」
「私は何もお力にはなれませんが、ロード殿下はセーラ様に何かあればすぐに駆けつけてくださいます。私も毎日セーラ様のご無事を祈っております故、そんなお顔をなさらないでください」
「うん。……ありがとう」
リゼの優しさが胸に染みる。
「ねぇリゼ。今日は夕食を一緒にしてくれないかな」
「それは……私は侍女ですので、できかねます」
「誰も見てないもの。私も誰にも言わない。それに、私がリゼと一緒に食べたいだけなの。……だめ?」
「っ……承知いたしました……」
根負けしたように頭を下げたリゼに笑いながら、この日は内緒でリゼと一緒に夕食を食べた。
なんだか改めて友達ができたみたいで嬉しくて、でも迫り来る別れがつらくて。
せっかく用意してくれたご飯の味は、あまりよくわからなかった。
「どうだろう……魔獣が増えている地域が多いからな。その討伐隊を率いることになるんじゃないかな」
「魔獣……それって、危ないのでは」
魔獣がどんなものかわからないけれど、凶暴な動物のようなものなのだとしたら、襲われて怪我をしたりしてしまうのではないか。もしかして、命の危険があったりするのだろうか。
「ははっ、心配してくれてるのか? 嬉しいなあ」
「心配するに決まってるでしょう! 絶対に無理はしないでくださいね?」
「あぁ。そうするよ。ありがとう」
私は心配で怒っているくらいなのに、ロード様はどことなく嬉しそう。
「本当にわかってます!? 怪我もしないでくださいね!?」
「それは……難しいなあ。努力するよ」
「もう……」
絶対わかってない。もしロード様の身になにかあったらと思ったら、心配で仕方ないのに。
「手紙も書くから、大丈夫だよ。暇があれば会いに行くし」
「本当ですか? 絶対ですよ?」
「あぁ。セーラのためにも無事に帰ってくるから」
嬉しそうに頭を撫でてくれるロード様に頷くと、ちょうどよくロード様を呼ぶ声が聞こえ部屋を出ていく。
「明日また来るから、もう一度庭園に行こう」
去り際にそう言うロード様に頷くと、手を振って扉を閉めた。
「リゼ」
「はいセーラ様」
「神殿って、確か各地にあったよね。私はどこの神殿に行くのかな」
「そうですね……王都の中にある大神殿ではないでしょうか。カイエン様もあちらからいらっしゃっておりますし、セーラ様も三年前にお過ごしになったことがあるかと」
「そっか。大神殿……」
三年前に拠点としていた、王都の大神殿。大きな女神像がある、この国で一番大きな神殿だ。
カイエン様のような神官も多く、とても広い敷地だったのを思い出す。
「あ……リゼはどうするの? リゼも私と一緒に行けるの?」
「……申し訳ございません。私はあくまでもロード殿下の配下の者。神殿への同行はできかねるのです」
「そう、なの……」
リゼとももうすぐお別れなのか。こんなにも良くしてくれたのに。
「さみしいな……」
ロード様ともリゼとも簡単には会えなくなりそうで、胸の奥がチクリと痛む。
大神殿は確かに知っている場所ではあるけれど、こちらの世界でも三年が経過している。その中で私が知っている人がどれくらいいるかもわからない。
不安が募る私に、リゼは
「セーラ様。不敬をお許しください」
とだけ言って、私をゆっくりと抱きしめてくれた。
「……リゼ?」
「セーラ様。大丈夫です。ロード殿下も私も、セーラ様の味方です」
「リゼ……」
「私は何もお力にはなれませんが、ロード殿下はセーラ様に何かあればすぐに駆けつけてくださいます。私も毎日セーラ様のご無事を祈っております故、そんなお顔をなさらないでください」
「うん。……ありがとう」
リゼの優しさが胸に染みる。
「ねぇリゼ。今日は夕食を一緒にしてくれないかな」
「それは……私は侍女ですので、できかねます」
「誰も見てないもの。私も誰にも言わない。それに、私がリゼと一緒に食べたいだけなの。……だめ?」
「っ……承知いたしました……」
根負けしたように頭を下げたリゼに笑いながら、この日は内緒でリゼと一緒に夕食を食べた。
なんだか改めて友達ができたみたいで嬉しくて、でも迫り来る別れがつらくて。
せっかく用意してくれたご飯の味は、あまりよくわからなかった。