再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
***

ネックレスの意味

 それから数日間、私は部屋でゆっくりと過ごしながら、アレン君と一緒に勉強をして過ごした。

 ロード様からいただいたネックレスの効果なのか、ロード様の魔力と相性が良いのか、あれ以来拒絶反応が起きている様子はなく、女神様にもお祈りができるようになった。


「女神様。今日も一日、皆様にご加護を」


 いつも通りお祈りすると、手の中から腕の辺りまでが温かくなる。そのまま身体の奥底に染み渡っていくような感覚がして、やはりロード様の魔力が私にとって相性が良いのだと感じた。

 セイロン様にも診てもらうと、私の魔力量は格段に増えているらしく、しかもそれが安定して血液の中を巡っているらしい。身体の調子も良く、軽くて今なら走り出せそうなくらいだ。


「アレン先生、どうですか!」

「セーラさま、すごくじょうずです! セーラさまはあたまがいいですね!」

「そんなことありません。先生の教え方が上手なんですよ」

「えへへっ」

「アレン先生、こちらも書いてみたので見てもらえますか?」

「わかりました! わぁ! すごい! もうこんなにおぼえたんですか!?」


 アレン君との勉強も捗っていて、私が書いた文字や文章をアレン君が添削してくれる。私の下手くそな文字でもアレン君は毎回褒めちぎってくれて、私もやる気が湧いてくる。

 ミレアも最初はあんなに不安そうだったのに、私とアレン君の様子を見ていたら安心したのか、今では何も言わずに見守ってくれている。


「セーラ様。そろそろ休憩を挟みませんと、頑張り過ぎもお身体によろしくありません」

「あれ、もうそんな時間? わかった。アレン君、一度おやつにしましょう」

「おやつ! きょうのおやつはなんですか!?」

「アレン、はしゃがないの!」

「……むぅ」


 二人のやりとりを見ていると可愛くて仕方なくて、自然と笑みが溢れて癒される。


「あれ、セーラさま。またネックレスを見ているんですか?」


 アレン君に言われて、無意識のうちにネックレスを触っていた事に気がつく。


「……うん。なんか、こうしてると落ち着くの」


ネックレスのトップには、雫型の宝石が嵌められている。それは普段はネイビーに見えるけれど、光が当たると深い青色に見えるのだ。

 ロード様の瞳と同じ色が、いつでも近くにロード様がいてくれるような気持ちにさせてくれて安心する。
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