再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「実は今、他国からの貿易船が港に着き街の店に珍しいものがたくさん入荷しているのです。セーラ様はほとんど物を欲しがらないから何でも好きなものを注文するように、と仰せでした」
「お買い物ですか?」
「えぇ。そろそろ新しいドレスも必要でしょうし、他にも気になるものがあるやもしれません。もちろんセーラ様がご興味あれば、のお話ですが」
確かに昔からあまり物欲が無いから、この世界に来ても与えてもらえるものだけで満足していた。買い物したいと思うことがないほど良くしてもらっている。ドレスも正直新調する必要なんて無いと思うけど、この世界での貴族たちは定期的に新しいドレスを注文するものだと聞いたことはある。同じドレスを何度も着ているとドレスを買うお金もないのかと噂の的になってしまうらしい。貴族社会も大変だ。
でも、ドレスの件を抜きにしても王都の街並みは見てみたいと思う。
聖女として働いていた時はそんな暇もなかったし、ロード様の言う通り確かにずっと外に出ていない。気が滅入るようなことは今のところないけれど、たまには外の空気を吸うのも悪くはないだろう。
魔力も安定しているようだし、一度外に出れるのならば、それは嬉しい提案だった。
「興味はありますが……買い物と言っても、私はこの世界のお金を持っていません」
まさか本当にセイロン様にお金を出してもらうわけにもいかないし。そう思っていると、
「ご安心ください。請求は全てロード殿下の元へ行きますので」
「え!? どうしてですか!?」
「そのネックレスを見せれば問題無い。そう仰せでしたので。大丈夫ですよ。おそらく殿下の紋様が刻まれているのでは?」
「あ……」
そう言われて、さっきの話を思い出す。
そうか。ロード様の紋様が入っているから、それを見せればロード様の大切な人という扱いになり、自動的に請求はロード様にいくということか。
そこまで考えてこの紋様を刻んでくれたのかと思うと驚きと申し訳なさと嬉しさで頭がいっぱいになる。
「どうでしょう。無理にお買い物はなさらなくても、王都の街並みを見るだけでも気分が変わるかと思いますが」
そうだ。買い物しないといけないと決まったわけではない。気に入るものがあるかもわからないわけだし。なければ買う必要はないだろう。やっぱり街並みは見てみたいし。
「そう、ですね。……皆さんのご迷惑にならないのなら、ぜひ行ってみたいです」
そう告げると、アレン君も
「ぼくも! セーラさまとお買い物したいです!」
と手を挙げて。
「なっ……アレン!」
「だって! セーラさまはぼくのおともだちです! だいすきなおともだちにはプレゼントをするものだと本でよみました! ぼくもセーラさまがだいすきだから、なにかプレゼントをしたいです!」
止めようとするミレアにキッと目を鋭くさせて反論する。
「セーラ様……子どもの戯言です。どうかご容赦ください」
ミレアは私に謝ってくるけれど、私はそんな光景がやはり微笑ましくて。
「セイロン様。二人も一緒に連れて行ってもいいですか?」
セイロン様に聞くと、
「そう仰ると思っておりました。護衛をつけますので問題ございませんよ」
クスクス笑ってアレン君の頭を撫でている。
「アレン。セーラさまに感謝しなさい。素敵なプレゼントを選んで差し上げるんだよ」
「はい! おまかせください!」
「セーラ様、セイロン様。本当に申し訳ございません。ありがとうございます……!」
恐縮しっぱなしのミレアと、嬉しそうにキャッキャと飛び跳ねるアレン君。対照的な二人を見て、私も街に行くのが楽しみになった。
「お買い物ですか?」
「えぇ。そろそろ新しいドレスも必要でしょうし、他にも気になるものがあるやもしれません。もちろんセーラ様がご興味あれば、のお話ですが」
確かに昔からあまり物欲が無いから、この世界に来ても与えてもらえるものだけで満足していた。買い物したいと思うことがないほど良くしてもらっている。ドレスも正直新調する必要なんて無いと思うけど、この世界での貴族たちは定期的に新しいドレスを注文するものだと聞いたことはある。同じドレスを何度も着ているとドレスを買うお金もないのかと噂の的になってしまうらしい。貴族社会も大変だ。
でも、ドレスの件を抜きにしても王都の街並みは見てみたいと思う。
聖女として働いていた時はそんな暇もなかったし、ロード様の言う通り確かにずっと外に出ていない。気が滅入るようなことは今のところないけれど、たまには外の空気を吸うのも悪くはないだろう。
魔力も安定しているようだし、一度外に出れるのならば、それは嬉しい提案だった。
「興味はありますが……買い物と言っても、私はこの世界のお金を持っていません」
まさか本当にセイロン様にお金を出してもらうわけにもいかないし。そう思っていると、
「ご安心ください。請求は全てロード殿下の元へ行きますので」
「え!? どうしてですか!?」
「そのネックレスを見せれば問題無い。そう仰せでしたので。大丈夫ですよ。おそらく殿下の紋様が刻まれているのでは?」
「あ……」
そう言われて、さっきの話を思い出す。
そうか。ロード様の紋様が入っているから、それを見せればロード様の大切な人という扱いになり、自動的に請求はロード様にいくということか。
そこまで考えてこの紋様を刻んでくれたのかと思うと驚きと申し訳なさと嬉しさで頭がいっぱいになる。
「どうでしょう。無理にお買い物はなさらなくても、王都の街並みを見るだけでも気分が変わるかと思いますが」
そうだ。買い物しないといけないと決まったわけではない。気に入るものがあるかもわからないわけだし。なければ買う必要はないだろう。やっぱり街並みは見てみたいし。
「そう、ですね。……皆さんのご迷惑にならないのなら、ぜひ行ってみたいです」
そう告げると、アレン君も
「ぼくも! セーラさまとお買い物したいです!」
と手を挙げて。
「なっ……アレン!」
「だって! セーラさまはぼくのおともだちです! だいすきなおともだちにはプレゼントをするものだと本でよみました! ぼくもセーラさまがだいすきだから、なにかプレゼントをしたいです!」
止めようとするミレアにキッと目を鋭くさせて反論する。
「セーラ様……子どもの戯言です。どうかご容赦ください」
ミレアは私に謝ってくるけれど、私はそんな光景がやはり微笑ましくて。
「セイロン様。二人も一緒に連れて行ってもいいですか?」
セイロン様に聞くと、
「そう仰ると思っておりました。護衛をつけますので問題ございませんよ」
クスクス笑ってアレン君の頭を撫でている。
「アレン。セーラさまに感謝しなさい。素敵なプレゼントを選んで差し上げるんだよ」
「はい! おまかせください!」
「セーラ様、セイロン様。本当に申し訳ございません。ありがとうございます……!」
恐縮しっぱなしのミレアと、嬉しそうにキャッキャと飛び跳ねるアレン君。対照的な二人を見て、私も街に行くのが楽しみになった。