再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「プレゼントと仰っていましたが、具体的にどんなものが良いかのイメージはございますか?」

「イメージ……うーん。騎士様なので、戦う時の邪魔にならないものが理想なんですけど」

「それでしたら、こういうものがございまして――」


 次から次へと出てくる資料に目が釘付けになる。

 ロード様のお仕事の邪魔にならないもので、いつも身につけられるものがいい。

 一気に頭の中にイメージ膨らんでいって、あれもこれもとアイディアが止まらない。


「あ、いいかも。これって、宝石の種類に制限はないんですか?」

「ある程度の強度が必要なこと以外は特にはございません」

「そうですか」


 いくつか気になるものを詳しく聞きながら、ふと思い立ってセイロン様に視線をやる。


「あの、セイロン様。以前宝石に魔力を込められると聞いたことがあるのですが、それは私にもできるでしょうか」

「そうですね……やってみなければわかりませんが、可能性はゼロではありませんね」

「じゃあ、方法を教えてもらえますか? やってみたいんです」

「わかりました。……店主殿。魔力を込めたい場合はどうすれば?」

「それでしたら、宝石を加工した後に最後の仕上げとしてご自身で魔力を込めていただければよいかと」

「そうですか。わかりました」


 胸に下がるネックレスを触る。

 これは魔道具だと言っていた。宝石とは違い、鉱物自体に魔力が含まれている魔石と呼ばれるものから作られているらしい。

 それならば、私は。


「あの。深い青色の宝石はありますか? あと他の色もいくつか。この加工をお願いしたいのですが」

「かしこまりました。ご案内いたします」


 店員さんに案内してもらい、デザインや加工の仕方を話し合って決める。

 数十分かけた結果、自分でも満足するデザインになったと思う。あとは問題なく魔力が込められればいいのだけど。


「では三日後、またお越しください。代金はその際にお支払いいただければ」

「え、先払いじゃないんですか?」

「通常であれば先払いが原則ですが、大神官様から口添えがありましたので、特別です」


 その言葉に驚いてセイロン様を見やると、


「最初は僕が払おうと思っていましたけど、やはりセーラ様からのお礼の品ですから。セーラ様がご自身でお支払いするのが、セーラ様も納得できるかと思いまして」


 と肩をすくめる。
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