再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「でも、私お金……」
「覚えてませんか? 三年前、元の世界にお戻りになる前のことを」
「え……?」
セイロン様は驚く私に、また小声で教えてくれた。
「聖女として国をお救いになった後、陛下から褒美として金貨を受け取ったではありませんか」
「あ……」
そういえば、そんなこともあったような……。
あの時は早く日本に帰りたくて仕方がなかったから、すっかり忘れていた。
「あの時の金貨は、今も大神殿の金庫の中に保管されております。セーラ様が聖女としての仕事でご自身で稼いだ、セーラ様の財産です。あちらで今回の支払いは可能かと」
「……セイロン様! ありがとうございます!」
自分のお金で、ロード様にお礼ができる。それが嬉しくてたまらないし、その方法を考えてくれたセイロン様には感謝しかない。
「素敵なプレゼントになるといいですね」
「はい! 絶対にそうしてみせます」
出来上がった宝石を早く見たい。三日後が待ち遠しい。わくわくしたまま店主のおじさんに頭を下げて店を出ると、
「では殿下へのお礼の品も決まったことですし。……ミレア」
「はい」
突然セイロン様の目がきらりとしたような気がして。
「残るはセーラ様のドレスと靴、アクセサリーです。お願いしますね?」
「仰せのままに。お任せください」
「……え? セイロン様? ミレア?」
ミレアも、全てを理解したように目を輝かせる。
「セーラ様。参りましょう。時間がありません!」
「え? ……え!?」
私はずるずると引き摺られるように歩かされ、今度は近くのショップで着せ替え人形のようにドレスを次から次へと試着させられる。
ドレスは必要無いと馬車の中でも言ったはずなのに! 何が起こっているのかわけがわからない。
「お客様。こちらが新作でございます」
「こちらからこちらまで全てください。あと、深い青色のドレスがあればそれを多めに見せてください。あと締め付けがあまりキツくないものはありませんか?」
「すぐにご用意いたします。お待ちください」
続々と出てくる新作ドレス。ミレアはそれを素早く捌いて買うものと買わないものに分けていく。
「……み、ミレア?」
「はいセーラ様、なんでしょう!」
さっきまで怖い顔でドレスを捌いていたのに、私が声をかけると満面の笑顔で答えてくれる。今はその笑顔がすごく怖い。
「あの、ね? 私、ドレスは――」
「ドレスのことでしたら私にお任せください! セーラ様にお似合いのものをたくさん選んでみせますから!」
「いや、いいの! 違うの! そうじゃなくて、ドレスはいらないから!」
「何を仰いますか! ……あ、それもください! 待って、向こうのも見せてください!」
「もう……ミレア……」
誰よりも熱意たっぷりに私のドレスを選び始めたミレアと、店の前からこちらにのんびりと手を振っているセイロン様とアレン君。いつのまにかアレン君の手にはおいしそうなスイーツがあり、幸せそうに食べている。
私もそっちに行きたい……と思っているとミレアに叱られてしまい、私はそれからしばらく着せ替え人形としてたくさんのドレスを試着したのだった。
「覚えてませんか? 三年前、元の世界にお戻りになる前のことを」
「え……?」
セイロン様は驚く私に、また小声で教えてくれた。
「聖女として国をお救いになった後、陛下から褒美として金貨を受け取ったではありませんか」
「あ……」
そういえば、そんなこともあったような……。
あの時は早く日本に帰りたくて仕方がなかったから、すっかり忘れていた。
「あの時の金貨は、今も大神殿の金庫の中に保管されております。セーラ様が聖女としての仕事でご自身で稼いだ、セーラ様の財産です。あちらで今回の支払いは可能かと」
「……セイロン様! ありがとうございます!」
自分のお金で、ロード様にお礼ができる。それが嬉しくてたまらないし、その方法を考えてくれたセイロン様には感謝しかない。
「素敵なプレゼントになるといいですね」
「はい! 絶対にそうしてみせます」
出来上がった宝石を早く見たい。三日後が待ち遠しい。わくわくしたまま店主のおじさんに頭を下げて店を出ると、
「では殿下へのお礼の品も決まったことですし。……ミレア」
「はい」
突然セイロン様の目がきらりとしたような気がして。
「残るはセーラ様のドレスと靴、アクセサリーです。お願いしますね?」
「仰せのままに。お任せください」
「……え? セイロン様? ミレア?」
ミレアも、全てを理解したように目を輝かせる。
「セーラ様。参りましょう。時間がありません!」
「え? ……え!?」
私はずるずると引き摺られるように歩かされ、今度は近くのショップで着せ替え人形のようにドレスを次から次へと試着させられる。
ドレスは必要無いと馬車の中でも言ったはずなのに! 何が起こっているのかわけがわからない。
「お客様。こちらが新作でございます」
「こちらからこちらまで全てください。あと、深い青色のドレスがあればそれを多めに見せてください。あと締め付けがあまりキツくないものはありませんか?」
「すぐにご用意いたします。お待ちください」
続々と出てくる新作ドレス。ミレアはそれを素早く捌いて買うものと買わないものに分けていく。
「……み、ミレア?」
「はいセーラ様、なんでしょう!」
さっきまで怖い顔でドレスを捌いていたのに、私が声をかけると満面の笑顔で答えてくれる。今はその笑顔がすごく怖い。
「あの、ね? 私、ドレスは――」
「ドレスのことでしたら私にお任せください! セーラ様にお似合いのものをたくさん選んでみせますから!」
「いや、いいの! 違うの! そうじゃなくて、ドレスはいらないから!」
「何を仰いますか! ……あ、それもください! 待って、向こうのも見せてください!」
「もう……ミレア……」
誰よりも熱意たっぷりに私のドレスを選び始めたミレアと、店の前からこちらにのんびりと手を振っているセイロン様とアレン君。いつのまにかアレン君の手にはおいしそうなスイーツがあり、幸せそうに食べている。
私もそっちに行きたい……と思っているとミレアに叱られてしまい、私はそれからしばらく着せ替え人形としてたくさんのドレスを試着したのだった。