再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
****
浄化
「うっ……っ」
「大丈夫ですか? どこが痛みますか?」
「あ、あし……」
「足ですね? 少し服をめくりますよ!」
呻き声を上がる女性の服の裾をめくると、そこは青黒く変色していた。
「っ……これはひどい……」
そう呟くけれど、後ろからミレアが
「こちらの方は軽症です。この程度で狼狽えてはいけませんよセーラ様」
と叱ってくれるから、私も気を引き締める。
「そうよね。ごめんなさい。……奥様、少し身体の力を抜けそうですか?」
ふるふると首を横に振る女性に頷いて、私は患部に向かって手をかざす。
「わかりました。では少しじっとしていてください。ミレア、足を抑えてくれる?」
「かしこまりました」
浄化は、聖女として何度も行ってきたためその方法は心得ている。
あとは、うまく魔力が作用してくれるかどうかだ。
「……浄化」
頭の中でイメージを固めて、呟く。
すると、小さな淡い光が手から患部に向かって広がる。
「っ……まだ弱い。これじゃ全然……」
しかし、光が弱すぎてすぐには浄化しきれない。
時間をかけて患部を浄化し終わると、女性の顔色は幾分かマシになったように見えたホッとした。
「セーラ様、まだ始まったばかりです。次の方に参りましょう」
「うん」
その後数人の方を浄化したものの、やはり力が弱くてうまく力が出せない。
頭の中ではいい具合にイメージできているし、魔力が血液をめぐる感覚もなんとなくわかってきた。そこから抽出する方法も、凝縮する方法も。
今ならもっと早く、もっと強く浄化できる気がするのに。どうして。
そのまま一人、また一人と浄化を施していくものの、やはり何かが引っ掛かっているような気がした。
「どうして力が一定しか出せないの……!?」
焦ってしまってそう声を荒げる私に、ミレアは何か思い出したように呟いた。
「セーラ様、もしかしてそのネックレスが原因では?」
「……え?」
「そのネックレスは魔力を一定に保つもの。もしかしたら、その影響があるのかも」
胸に下がるネックレスに触れる。
そうか。その可能性もあるのか。……だったら。
「ミレア、これ持ってて!」
「はい!」
ネックレスをグッと引っ張って引きちぎり、ミレアに渡す。
そして深呼吸をしてから、もう一度浄化を施した。
「……浄化!」
すると、最初はやはり光が淡かったものの、徐々に大きく強く輝いていく。
「……もっと、早く。もっと、強く」
患部に集中して、魔力を注いでいく。あっという間に浄化ができ、目の前の男性の呼吸が落ち着いていく。
「セーラ様、すごいです!」
「うん……うん! できた!」
「体調は大丈夫ですか?」
「うん、むしろ今はなんだか力がみなぎってるみたい!」
「良かった! では次の方の元へ参りましょう!」
身体の奥底から、力が溢れ出てきているような。
もしかして、ネックレスの影響で魔力があまり増えないように抑えられていた?
わからないけれど、今はそんなことはいい。
とにかく目の前のことに集中しないと。
私は、ミレアを連れて次から次へと運ばれてくる方達を浄化し続けた。
「大丈夫ですか? どこが痛みますか?」
「あ、あし……」
「足ですね? 少し服をめくりますよ!」
呻き声を上がる女性の服の裾をめくると、そこは青黒く変色していた。
「っ……これはひどい……」
そう呟くけれど、後ろからミレアが
「こちらの方は軽症です。この程度で狼狽えてはいけませんよセーラ様」
と叱ってくれるから、私も気を引き締める。
「そうよね。ごめんなさい。……奥様、少し身体の力を抜けそうですか?」
ふるふると首を横に振る女性に頷いて、私は患部に向かって手をかざす。
「わかりました。では少しじっとしていてください。ミレア、足を抑えてくれる?」
「かしこまりました」
浄化は、聖女として何度も行ってきたためその方法は心得ている。
あとは、うまく魔力が作用してくれるかどうかだ。
「……浄化」
頭の中でイメージを固めて、呟く。
すると、小さな淡い光が手から患部に向かって広がる。
「っ……まだ弱い。これじゃ全然……」
しかし、光が弱すぎてすぐには浄化しきれない。
時間をかけて患部を浄化し終わると、女性の顔色は幾分かマシになったように見えたホッとした。
「セーラ様、まだ始まったばかりです。次の方に参りましょう」
「うん」
その後数人の方を浄化したものの、やはり力が弱くてうまく力が出せない。
頭の中ではいい具合にイメージできているし、魔力が血液をめぐる感覚もなんとなくわかってきた。そこから抽出する方法も、凝縮する方法も。
今ならもっと早く、もっと強く浄化できる気がするのに。どうして。
そのまま一人、また一人と浄化を施していくものの、やはり何かが引っ掛かっているような気がした。
「どうして力が一定しか出せないの……!?」
焦ってしまってそう声を荒げる私に、ミレアは何か思い出したように呟いた。
「セーラ様、もしかしてそのネックレスが原因では?」
「……え?」
「そのネックレスは魔力を一定に保つもの。もしかしたら、その影響があるのかも」
胸に下がるネックレスに触れる。
そうか。その可能性もあるのか。……だったら。
「ミレア、これ持ってて!」
「はい!」
ネックレスをグッと引っ張って引きちぎり、ミレアに渡す。
そして深呼吸をしてから、もう一度浄化を施した。
「……浄化!」
すると、最初はやはり光が淡かったものの、徐々に大きく強く輝いていく。
「……もっと、早く。もっと、強く」
患部に集中して、魔力を注いでいく。あっという間に浄化ができ、目の前の男性の呼吸が落ち着いていく。
「セーラ様、すごいです!」
「うん……うん! できた!」
「体調は大丈夫ですか?」
「うん、むしろ今はなんだか力がみなぎってるみたい!」
「良かった! では次の方の元へ参りましょう!」
身体の奥底から、力が溢れ出てきているような。
もしかして、ネックレスの影響で魔力があまり増えないように抑えられていた?
わからないけれど、今はそんなことはいい。
とにかく目の前のことに集中しないと。
私は、ミレアを連れて次から次へと運ばれてくる方達を浄化し続けた。