再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「魔力はどうやら安定しているようですね。良かったです」

「そういえば、ネックレス……」


 引きちぎって壊れたはずなのに、私の胸にはネックレスが下げられていた。

「あぁ、ロード殿下が魔法で壊れた部分を直してからまたつけていらっしゃいましたよ」


 なんてことないように言われて、寝ている間にそんなことをしてもらったのかと恥ずかしくなる。


「まさかそのネックレスに魔力の安定の他にも意味があったとは思いませんでしたけどね」

「他の意味って?」


 首を傾げると、セイロン様は呆れたように微笑んで口を開く。


「殿下は、そのネックレスにセーラ様が命に危機に瀕したらすぐに知らせるよう魔法をかけていたらしいですよ。それで、あの時一瞬のうちにセーラ様の危機を感じ取ってやってきてくれたそうです」

「それって、つまり。あの時ネックレスを握っていなかったら……」

「そうです。殿下にも連絡はいかず、我々の命はなかったでしょうね」


 ヒュッと胸の辺りが冷たくなって、息を呑んだ。


「結果的に殿下が来てくださり僕らは無事でした。しかし、一歩間違えれば命を失っていた。……セーラ様、あなたを危険な目に遭わせてしまいました。全ては僕の油断が招いたこと。大変申し訳ございませんでした」

「なっ……! やめてください! 私に謝らないでください。私が一度に浄化しきれなかったのが問題だっただけで」


 私に頭を下げる必要なんてないのに、セイロン様は責任を感じているのか謝罪を止めようとしない。


「いえ。どんな理由があろうと悪いのは僕です。殿下にもこっぴどく叱られてしまいまして」

「ロード様が?」

「はい。セーラ様もおそらく殿下からお話があると思うので。……ご覚悟くださいね」

「えぇ……」


 怖い。怖すぎる。

 心なしかミレアも私を憐れみの目で見ているような気がする。やめて、怖さが増していく。


「さぁ。今日はこのままゆっくりお休みください。ミレア、セーラ様に食事を」

「はい」

「そうだ、アレンがセーラ様に会いたがっておりました。そのうち会ってやってください」

「もちろんです」


 アレン君にも心配かけちゃったな。謝らないと。そして、ロード様にもきちんとお礼を言いたい。

 次に会えるのはいつだろうか。そう思いながら窓の外を見つめた。
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