再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。

再会

 それから数日が経ったある日のことだった。


「セーラ様」

「セイロン様。どうしました?」


 朝、女神様にお祈りをしているとセイロン様がやってきて。


「王宮からの遣いが参りまして。陛下がセーラ様をお呼びだそうです」


 ついに王宮に呼ばれて、王様に謁見することになった。

 急いで部屋に戻り準備を済ませ、王宮からの馬車に乗り込む。ミレアはセイロン様の管轄のため王宮までのお供はできず、一人で向かうことに。そのまま景色を見ながら揺られるものの、気持ちは全く落ち着かなかった。

 聖女としての力を失っていた私が、瘴気を浄化したのだ。そのことについて呼ばれたのは明白。

 正直、乗り気はしない。

 唯一楽しみなことと言えば、ロード様とリゼに会えるかもしれないということだ。

 あれ以来ロード様は忙しく過ごしているようで全く会えていない。あの日のお礼も言いたいし、謝りたいし。タイミングが合えば、お礼のアミュレットだって渡したい。リゼにも直接ティーカップを渡せるかもしれない。

 ミレアとアレン君にはすでにティーカップをプレゼント済みだ。二人ともすごく喜んでくれて、それ以来毎日おやつの時間に使ってくれているのを知っている。喜んでもらえて本当によかった。

 ロード様とリゼにも喜んでもらえるだろうか。そう考えると、不安な道中も少しだけ楽しみを持つことができた。


「聖女様、到着いたしました」

「ありがとうございます」


 馬車を降りようと外に出ると、エスコートの手が伸びてきて驚く。


「……セーラ」

「……ロード様……」

「疲れただろう。手を」

「……ありがとうございます」


 わざわざロード様が出迎えにきてくれて、エスコートまでしてくれる。

 嬉しくて見上げると、ロード様も微笑みを浮かべて見つめ返してくれた。


「先日はありがとうございました。ロード様がいなかったら、私たちの命はありませんでした」

「本当に寿命が縮まったよ。セーラの身に何も起こらないことを願ってあの魔法をかけたのに、まさかあんなに早くに知らせが来るとは思わなかった」

「……本当にすみませんでした……」


 そういえば、セイロン様に覚悟しろって言われていたんだった。今は王様への謁見が優先だから、あとでたっぷり叱られるのだろう。

 眉を下げると、ロード様は一度私の顔を見て、それからため息をついて小さく笑う。


「……セーラに会うまでは、次に会ったら説教しないとと思ってたけど、実際に会ったらそんな気も無くなったよ。一応反省はしてるみたいだし」

「は、はい。反省してます!」


 慌てて答えると、吹き出すように笑ったロード様。


「ひとまず王様のところへ行こう」

「はい」


 ロード様のエスコートで、私は王様の御前まで向かった。
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