再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
***
「聖女セーラよ。よくぞ参られた」
「……大変ご無沙汰しております。王様」
「面を上げなさい」
王様の声に顔を上げると、神殿に行く前よりも穏やかな笑みを携えたお姿が。
ロード様は私のエスコートを終えて、王様の近くに立った。
「今日呼んだのは他でもない。先日の王都での瘴気のことだ」
「はい」
「力を一度失ったにも関わらず、国のために尽力してくれたこと、大いに感謝する」
「とんでもございません。自分にできることをしたまでです」
「その"できること"が、たくさんの国民を救ってくれたのだ。もっと自分を褒めてやりなさい」
「……もったいないお言葉です。ありがとうございます」
王様は私のことを褒めちぎってくれて、喜ばしいはずなのにあまり嬉しくはない。
多分、心のどこかでこの後言われる言葉を想像していたからだ。
「して、一つ頼みがあるのだが」
「……はい」
「他の地域の瘴気の浄化を、お願いできないだろうか」
予想通りの言葉に、私の視線は自然と下がっていく。
「報酬も弾もう。もちろんそなたに危険が及ばないように護衛も多くつけるつもりだ。行くにあたり要望があれば、最大限叶えることを約束しよう」
「……あ、の」
「あぁ、すまない。返事を急がせるつもりはない。そなたは先日倒れてしまったと聞く。数日王宮に滞在して、考えてくれないか。その後に返事を聞かせてくれると嬉しい」
どう答えたらいいか悩んでいた矢先にそう言われてしまい、言葉を発するタイミングを失う。
かと言って何を言うつもりだったのかは自分でもわからなくて。
「……承知いたしました」
そう、返事をすることしかできなかった。
***
「――ラ、セーラ。セーラ!」
「――っ!? は、はいっ」
今日からしばらく過ごす部屋へ移動中、ボーッとしてしまいロード様に肩を叩かれて正気に戻る。
「どうした? ボーッとして」
「……あ、いえ。なんでもないです」
首を横に振りながら笑顔を作ると、ロード様はじっと私の顔を見つめてくる。
「ろ、ロード様?」
「……俺には言えないことか?」
「え?」
「いや、いい。とりあえず部屋に向かおう。リゼが待っている」
「リゼが!?」
ロード様が何か言いかけたのは気になるけれど、それ以上にリゼが待ってくれているということが嬉しくてたまらない。
「もしかして、王宮にいる間はリゼが?」
「あぁ。その方がセーラも嬉しいかと思って指名しておいた」
「ありがとうございます、ロード様」
嬉しいと思っていると、不意にロード様が
「……ようやく笑ったな」
と安心したように微笑んだ。
「……え?」
「ずっと、どこか暗い表情をしていただろう。無理して笑っているようだったから、今の笑顔を見て安心したよ。ま、その相手がリゼだというのはなんとも複雑だけど」
「ロード様……」
自分ではちゃんと笑っているつもりだったけれど、ロード様には全てお見通しだったらしい。
「言いたくなったらでいいから、いつでも話を聞くよ。だから無理して笑うな」
「はい。わかりました」
そう返事をすると、ちょうど部屋に着いてロード様が扉を開けてくれる。
中には、
「セーラ様!」
「リゼ!」
あの時と変わらない笑顔のリゼがいて、私は思わず駆け寄ってその胸に飛び込むように抱きついた。
「聖女セーラよ。よくぞ参られた」
「……大変ご無沙汰しております。王様」
「面を上げなさい」
王様の声に顔を上げると、神殿に行く前よりも穏やかな笑みを携えたお姿が。
ロード様は私のエスコートを終えて、王様の近くに立った。
「今日呼んだのは他でもない。先日の王都での瘴気のことだ」
「はい」
「力を一度失ったにも関わらず、国のために尽力してくれたこと、大いに感謝する」
「とんでもございません。自分にできることをしたまでです」
「その"できること"が、たくさんの国民を救ってくれたのだ。もっと自分を褒めてやりなさい」
「……もったいないお言葉です。ありがとうございます」
王様は私のことを褒めちぎってくれて、喜ばしいはずなのにあまり嬉しくはない。
多分、心のどこかでこの後言われる言葉を想像していたからだ。
「して、一つ頼みがあるのだが」
「……はい」
「他の地域の瘴気の浄化を、お願いできないだろうか」
予想通りの言葉に、私の視線は自然と下がっていく。
「報酬も弾もう。もちろんそなたに危険が及ばないように護衛も多くつけるつもりだ。行くにあたり要望があれば、最大限叶えることを約束しよう」
「……あ、の」
「あぁ、すまない。返事を急がせるつもりはない。そなたは先日倒れてしまったと聞く。数日王宮に滞在して、考えてくれないか。その後に返事を聞かせてくれると嬉しい」
どう答えたらいいか悩んでいた矢先にそう言われてしまい、言葉を発するタイミングを失う。
かと言って何を言うつもりだったのかは自分でもわからなくて。
「……承知いたしました」
そう、返事をすることしかできなかった。
***
「――ラ、セーラ。セーラ!」
「――っ!? は、はいっ」
今日からしばらく過ごす部屋へ移動中、ボーッとしてしまいロード様に肩を叩かれて正気に戻る。
「どうした? ボーッとして」
「……あ、いえ。なんでもないです」
首を横に振りながら笑顔を作ると、ロード様はじっと私の顔を見つめてくる。
「ろ、ロード様?」
「……俺には言えないことか?」
「え?」
「いや、いい。とりあえず部屋に向かおう。リゼが待っている」
「リゼが!?」
ロード様が何か言いかけたのは気になるけれど、それ以上にリゼが待ってくれているということが嬉しくてたまらない。
「もしかして、王宮にいる間はリゼが?」
「あぁ。その方がセーラも嬉しいかと思って指名しておいた」
「ありがとうございます、ロード様」
嬉しいと思っていると、不意にロード様が
「……ようやく笑ったな」
と安心したように微笑んだ。
「……え?」
「ずっと、どこか暗い表情をしていただろう。無理して笑っているようだったから、今の笑顔を見て安心したよ。ま、その相手がリゼだというのはなんとも複雑だけど」
「ロード様……」
自分ではちゃんと笑っているつもりだったけれど、ロード様には全てお見通しだったらしい。
「言いたくなったらでいいから、いつでも話を聞くよ。だから無理して笑うな」
「はい。わかりました」
そう返事をすると、ちょうど部屋に着いてロード様が扉を開けてくれる。
中には、
「セーラ様!」
「リゼ!」
あの時と変わらない笑顔のリゼがいて、私は思わず駆け寄ってその胸に飛び込むように抱きついた。