再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「今申し上げた通り、私は少なからずこの国を恨んでいました。あの時召喚さえされなければ、もっと母と一緒にいられたと思ったからです。もっと王様に元の世界に帰りたいと進言するべきだったと。そう後悔していました。……実際、陛下より浄化のお話をいただく前から、力がなくなっていることにどこか安心している自分がいたくらいでしたから」
力がなければ、聖女として必要とされることもないから。必要とされなければ、期限がくればすぐに帰してもらえるから。
「不敬は承知の上ですが、これが私の正直な気持ちでした」
「……して、不敬を承知の上でそれを直接の原因であるわしにわざわざ話した理由を、聞かせてもらおうか」
「……はい」
返事をして。一呼吸おいて。
「単刀直入に申し上げます。先日のお話ですが、条件付きでお受けしたい。そう考えています」
王様の目を真っ直ぐに見て、そう答えた。
「条件付き、か」
「……生意気を言って申し訳ございません。しかし、私にも譲れないものがありますので」
まだ王様の目を見続けていると、諦めたようにフッと王様が小さく笑った。
「……先ほど話を聞いた時も思ったが、元の世界で相当苦労したというのは本当のようだな。三年前に比べると肝が据わっていると言うべきか、格が増したと言うべきか」
「……恐れ入ります」
褒め言葉として受け取るべきなのかはわからないけれど、悪い意味ではなさそうだった。
「まずはその条件を聞かせてくれ」
「はい。条件は全部で三つあります。まず一つ目は、浄化に向かう間もそれ以外の時間も、私の身の安全を保証してもらいたい、ということです」
「それは言われなくともそのつもりだ。条件にすら当てはまらない。次は?」
「二つ目は、一年が経って、私が元の世界に帰りたいと言えば帰してほしいということ、また、その場合はもう二度と私を召喚しないでほしいということです」
「……先ほどの話を聞けばその条件も頷ける。良いだろう」
「ありがとうございます」
そして、最後の三つ目は。
「最後に、……これから先のドラムトン王国にて、私のような者を二度と生み出さないでもらいたい、ということです」
「……と、いうと」
「はい。召喚される者にも人生があります。生活があります。大切な人がいます。それを全て犠牲にして存在することになるのです。もちろん、陛下がこの国のためを想ってのことなのはよくわかっています。しかし私は、私のような思いをもう誰にもしてほしくない。これ以上この国を、陛下を、恨むような人間を増やしたくありません。自分は不幸だと泣くような者を、と二度と生み出してほしくないのです」
話しながら、涙が一筋溢れ落ちた。
王様にこんなことを言うなんて、本来であれば不敬罪で投獄されてもおかしくないだろう。
国に危機が瀕しても、聖女となりうる存在を召喚するなと言っているのだから。
「……それが、私の提示する条件です」
だけど、私も譲るつもりなんてない。
これだけは、譲れないんだ。
力がなければ、聖女として必要とされることもないから。必要とされなければ、期限がくればすぐに帰してもらえるから。
「不敬は承知の上ですが、これが私の正直な気持ちでした」
「……して、不敬を承知の上でそれを直接の原因であるわしにわざわざ話した理由を、聞かせてもらおうか」
「……はい」
返事をして。一呼吸おいて。
「単刀直入に申し上げます。先日のお話ですが、条件付きでお受けしたい。そう考えています」
王様の目を真っ直ぐに見て、そう答えた。
「条件付き、か」
「……生意気を言って申し訳ございません。しかし、私にも譲れないものがありますので」
まだ王様の目を見続けていると、諦めたようにフッと王様が小さく笑った。
「……先ほど話を聞いた時も思ったが、元の世界で相当苦労したというのは本当のようだな。三年前に比べると肝が据わっていると言うべきか、格が増したと言うべきか」
「……恐れ入ります」
褒め言葉として受け取るべきなのかはわからないけれど、悪い意味ではなさそうだった。
「まずはその条件を聞かせてくれ」
「はい。条件は全部で三つあります。まず一つ目は、浄化に向かう間もそれ以外の時間も、私の身の安全を保証してもらいたい、ということです」
「それは言われなくともそのつもりだ。条件にすら当てはまらない。次は?」
「二つ目は、一年が経って、私が元の世界に帰りたいと言えば帰してほしいということ、また、その場合はもう二度と私を召喚しないでほしいということです」
「……先ほどの話を聞けばその条件も頷ける。良いだろう」
「ありがとうございます」
そして、最後の三つ目は。
「最後に、……これから先のドラムトン王国にて、私のような者を二度と生み出さないでもらいたい、ということです」
「……と、いうと」
「はい。召喚される者にも人生があります。生活があります。大切な人がいます。それを全て犠牲にして存在することになるのです。もちろん、陛下がこの国のためを想ってのことなのはよくわかっています。しかし私は、私のような思いをもう誰にもしてほしくない。これ以上この国を、陛下を、恨むような人間を増やしたくありません。自分は不幸だと泣くような者を、と二度と生み出してほしくないのです」
話しながら、涙が一筋溢れ落ちた。
王様にこんなことを言うなんて、本来であれば不敬罪で投獄されてもおかしくないだろう。
国に危機が瀕しても、聖女となりうる存在を召喚するなと言っているのだから。
「……それが、私の提示する条件です」
だけど、私も譲るつもりなんてない。
これだけは、譲れないんだ。