再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
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治療

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 目を覚ました時、辺りは暗くなり月明かりが差し込んでいた。真夜中らしく、何の音も聞こえない。

 頭がガンガンして、全身が痛くて動けなくて。目を開けるのがやっとという状態だった。

 見覚えのある天蓋が見えているから、どうやらここは王宮の私の部屋らしいと気が付く。

 ……全部、終わったんだ。

 改めてそう思うと、見ないふりをしていた恐怖が一気に脳裏を掠めて身震いした。

 ……すると。


「……セーラ……?」


 隣から声が聞こえて、顔を動かす。


「ロード……さま……?」


 掠れた声を出すと、


「セーラ!?」


 ガバッと身体を起こして、私の顔を覗き込んでくる双眼。

 その深い青色と視線が絡むと、すぐに涙を溜めて私を抱きしめてくれた。


「セーラ……本当に、無事で良かった……」

「っ……」


 その腕の中が温かくて、ようやく深く呼吸ができたような気がした。


「セーラ、本当にごめんな。こんなになるまで無理させて。助けることもできずに、全部セーラに背負わせて。本当に、ごめん」

「違います。私は、二人を助けたかった。それだけです。それに、ロード様とセイロン様が外で待ってると思ったら、いくらでも頑張れました」

「セーラっ……」


 二人の存在が、どれほど私の力になったか。

 二人がいつも私に力をくれたから、諦めずに頑張れたんだ。


「ねぇ、ロード様」

「……なんだ」

「私、……頑張りましたよね?」

「当たり前だろっ……!」


 涙声でそう叫ぶから、耳が痛くなってしまう。でも、ロード様が震えてるから背中に手を回した。


「じゃあ、もう謝らないでください。私、"ごめん"はもう聞きたくないです」


 それに、ロード様は何も悪いことしてないでしょ?

 そう告げれば、とうとうロード様は涙を流してしまう。


「本当に……怖かったんだ。セーラを失ってしまいそうで……」

「……」

「俺とセイロンが簡単に捕まってしまったせいで、セーラを危険な目にあわせた。その結果、あんな怪我までさせて……」

「でもそれは、私が自分で決めたことです。ロード様のせいじゃない。ロード様が捕まってしまったのも、悪いのはカイエン様でしょう」

「そうじゃない。全て、俺が悪い。俺の責任だ」


 どこまでも自分を責めるロード様は、しばらく私を離してくれない。

 だけど、この体温が心地良くてたまらなくて、やっと帰って来た感じがして。

 このまま離さないでほしい。そう思ってしまうくらい、幸せだった。
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