再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
 ロード様から聞いた話によると、私が目を覚ましたのはあれから丸三日が経った後だったらしい。その間、ロード様はずっと私のそばにいてくれたんだとか。王様への報告もあったはずなのに、全てセイロン様に丸投げしたというから驚いた。


「そもそもカイエンの一番近くにいたのはセイロンだ。実はあいつもカイエンを疑っていたらしい。自分が動くべきだったところを全てセーラにやらせてしまったって、酷く後悔していたよ。だから今は全ての後処理を一人でやってる」

「……ごめんなさい。でも、あのまま待ってるなんてできなくて」

「知ってる。それにセーラを責めているわけじゃないから。安心して」


 言葉とは裏腹に私をみてとても苦しそうな表情をするロード様は、私の頬の傷を撫でる。


「でももしセーラの顔に傷が残ったらと思うと……後悔してもしきれないよ」

「ロード様……」


 傷は魔法で縫合してくれたけれど、傷口が深く魔法だけではすぐには治せなかったらしい。綺麗に縫合してくれたから跡は残らないと思うけれど、ロード様は深く後悔しているよう。

 何度も私の傷を見てはつらそうに顔を歪めている。

 気にしないでと言っても聞いてくれないから、こっちが困ってしまう。

 セイロン様は合間を見て私に会い来てくれて、ロード様と同じかそれ以上に何度も謝ってくれた。もうやめてというくらい、それはもうずっと謝っていた。

 やはりセイロン様もカイエン様をずっと疑っていて、だけど信じたくなくて。疑いを晴らしたい一心で、ハリスに連れていくことを決めたらしい。

 それがこのような結果につながり、セイロン様も自分のせいだとずっと責め続けていた。

 どうすればセイロン様の気持ちが軽くなるか考えたけど、ロード様にもそっとしておいてやれと言われてしまい、そうしている。

 信頼していた相手からの裏切りだ。ショックも大きいだろう。

 時間が解決してくれることを祈るしかなかった。

 カイエン様は、あの後すぐに投獄された。

 千年前のフォード公爵と同じ、手に枷をつけて魔法が使えないようにして。これから裁判にかけられるらしいが、おそらくは死罪になるだろうとのことだった。

 カイエン様は今までその強い魔力をひた隠しにしており、実際はセイロン様よりずっとずっと魔力が高いらしい。

 フォードの末裔ということと、ずっと魔石が近くにある環境だったのも影響しているのだろう。

 ハリスの町は、あの後神官総出で浄化を施した。あの魔鉱山の入り口を魔法で完全に壊し、中に入れないようにして。魔石の瘴気が出なくなると自然と瘴気は薄くなり、時間はかかったものの浄化できたそうだ。

 他の地域も徐々に浄化が進み、元の姿を取り戻し始めているらしい。


「……本当に、全部終わったんですね」

「……あぁ」


 頷くロード様に、私は天を仰いだ。
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