アンコールは君だけに ~孤高のピアニストと秘密の契約婚~

「……かまいません」
「いいのか」
「はい」

 紬希の答えを確認した奏は、啄むような口づけをする。
 白ワインの香りが漂うなか、ふたりはキスに溺れていく。

「――今夜は、同じベッドで寝るから」

 互いに身体を寄せ合い、口づけを繰り返して、唇がぽってりと火照っている。
 蕩けるような琥珀色の瞳をひらいた紬希は、彼の言葉に素直に頷く。

「……うれしい」
「煽るな」

 奏の指が、紬希の髪に触れる――そのまま、テラスで抱き上げられ、ベッドまで運ばれた。
 ふかふかのシーツのうえに押し倒され、夜空の下のキスのつづきがはじまる。それはさっきよりも深く、甘く、淫らなキスだった。
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