アンコールは君だけに ~孤高のピアニストと秘密の契約婚~

   * * *


 屋敷に戻ると、奏がリビングにいた。
 紬希の顔を見て、立ち上がる。

「……顔色が悪い。どうした」
「なんでもないです」
「雅希の容態か」

 ――鋭い。

 紬希は驚いて奏の表情を見つめる。

「……少し、数値が下がったみたいで」
「治療費は」
「大丈夫です。なんとかします」
「なんとかするのはこちらだ。契約の条件に含まれているからな。追加で必要なら言ってくれ」
< 159 / 224 >

この作品をシェア

pagetop