アンコールは君だけに ~孤高のピアニストと秘密の契約婚~
* * *
屋敷に戻ると、奏がリビングにいた。
紬希の顔を見て、立ち上がる。
「……顔色が悪い。どうした」
「なんでもないです」
「雅希の容態か」
――鋭い。
紬希は驚いて奏の表情を見つめる。
「……少し、数値が下がったみたいで」
「治療費は」
「大丈夫です。なんとかします」
「なんとかするのはこちらだ。契約の条件に含まれているからな。追加で必要なら言ってくれ」