アンコールは君だけに ~孤高のピアニストと秘密の契約婚~
気を取り直した紬希は窓からの景色に注目する。いままで画面越しでしか見たことのなかったパリの街並みが見渡せる。
屋根の上に、うっすらと夕焼けがかかっている。
「……きれい」
思わず、窓に近づく。
「観光は公演が終わってからだ」
「観光してもいいんですか?」
「……そんなに嬉しいか?」
紬希は振り返らずに答えた。
「はい。初めてなので。それに、奏さんと観光できるなら安心です」
思いがけない返しに驚いたのか、奏が沈黙している。やがて、ため息にも似た声音が届く。
「……そうか」
その声は、わずかに和らいでいるようだった。
屋根の上に、うっすらと夕焼けがかかっている。
「……きれい」
思わず、窓に近づく。
「観光は公演が終わってからだ」
「観光してもいいんですか?」
「……そんなに嬉しいか?」
紬希は振り返らずに答えた。
「はい。初めてなので。それに、奏さんと観光できるなら安心です」
思いがけない返しに驚いたのか、奏が沈黙している。やがて、ため息にも似た声音が届く。
「……そうか」
その声は、わずかに和らいでいるようだった。