アンコールは君だけに ~孤高のピアニストと秘密の契約婚~
「紫陽花、気になるんだろ」
驚く紬希をよそに、奏がどれがいいかと聞いて来る。
「……白いのが、いいです」
「わかった」
雨のなか訪れ白い紫陽花の鉢植えを購入したふたりを店員が微笑ましそうに見ていた。
「こちらは白い紫陽花のなかでもポピュラーなアメリカアジサイの”アナベル”と言って、花言葉は“ひたむきな愛情”なんですよ」
色によって花言葉は変わるらしく、青だと”辛抱強い愛”なんてものもあるのだという。なんだか奏みたいだとぼんやり考える紬希より先に、店を出た奏がぼそりと呟く。
「その白いの、家族思いの紬希みたいな花だな」
「そういえば紫陽花全般の花言葉が”家族”だって、店員さん言ってました」
雨はすこし弱まっていた。けれど紬希は折り畳みの傘を出さず、奏がひろげた大きな傘の下に入り込む。
ぴったりと寄り添って歩くと、奏の肩が、紬希のあたまに並ぶ。彼は傘と鉢植えを片手に持っているが、涼しそうな顔をしている。
驚く紬希をよそに、奏がどれがいいかと聞いて来る。
「……白いのが、いいです」
「わかった」
雨のなか訪れ白い紫陽花の鉢植えを購入したふたりを店員が微笑ましそうに見ていた。
「こちらは白い紫陽花のなかでもポピュラーなアメリカアジサイの”アナベル”と言って、花言葉は“ひたむきな愛情”なんですよ」
色によって花言葉は変わるらしく、青だと”辛抱強い愛”なんてものもあるのだという。なんだか奏みたいだとぼんやり考える紬希より先に、店を出た奏がぼそりと呟く。
「その白いの、家族思いの紬希みたいな花だな」
「そういえば紫陽花全般の花言葉が”家族”だって、店員さん言ってました」
雨はすこし弱まっていた。けれど紬希は折り畳みの傘を出さず、奏がひろげた大きな傘の下に入り込む。
ぴったりと寄り添って歩くと、奏の肩が、紬希のあたまに並ぶ。彼は傘と鉢植えを片手に持っているが、涼しそうな顔をしている。