男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

戻ってきた時もそうだ。


吐いたあとだったのだろう、顔色は最悪なのに、無理やり平気なふりをして座った。



何もなかったように、普通のふりをして。


それが一番、普通じゃない。



風呂の順番が回ってきた時も、同じだった。


月城は部屋から出てくる時点で、すでに息が浅かった。


目が泳いでいた。



あれは、追い詰められた人間の目だ。



俺は黙って見ていた。


声をかけるべきか迷ったが、下手に触れば壊れそうだった。


実際、琉生が袖をつまんだだけで、月城は過剰に反応した。
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